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共同創業者の選び方|成功するスタートアップに共通する「チームの条件」

スタートアップにおいて最も重要な資産は何か?
それは「チーム」です。

革新的なプロダクトや広大な市場も、間違ったチームでは形にならず、逆に、ありふれたアイデアでも、優れたチームがいれば急成長を遂げることがあります。エンジェル投資家やVCも、アイデアより先に「誰が実行するのか」を見ています。

特に、共同創業者の選び方は創業フェーズの成否を左右します。

この記事では、信頼できる共同創業者の条件、よくある失敗、探し方、役割分担やエクイティ配分まで、実務的に役立つ情報をまとめました。

なぜ「共同創業者」が成功に不可欠なのか?

投資家はチームを最重要視している

プレシード~シードの段階での投資判断において、投資家の約70%は「チーム」に注目しています。

なぜなら、初期プロダクトや売上は未完成でも、チームの力量・熱意・柔軟性が高ければ、将来的な軌道修正と成長が見込めるからです。

単独起業の限界とリスク

1人で起業するメリットもありますが、限界も明確です。意思決定の偏り、孤独による判断ミス、能力の偏重など、リスクは大きい。

特にハードワークが求められるスタートアップ初期には、支え合えるパートナーの存在が大きな意味を持ちます。

共同創業者に必要な5つの条件

起業準備を進める中で、共同創業者の候補と出会う場面があります。そのような時に確認すべき、共同創業者に必要な条件を洗い出してみました。

① 補完的なスキルセット

「どちらも営業系」「どちらもエンジニア」では、ビジネスは前に進みません。ビジネス面と開発面の役割を明確に分担できる補完関係が理想です。

CEOタイプとCTOタイプ、外向きと内向きなど、性格のバランスも重要です。

② 価値観・意思決定軸の一致

判断に迷ったときに、根底にある「何を優先するか(ミッション・倫理・スピード感など)」が食い違うと衝突が起こります。

価値観のすり合わせを時間をかけて行うことが不可欠です。

③ フィードバックと対話の習慣

意見をぶつけ合える関係性がなければ、事業成長に必要な軌道修正ができません。

遠慮せずに率直なフィードバックを日常的に交わすことができるパートナーが望ましいです。

④ リスク共有意識と長期的視点

創業時のハードワークや報酬の低さに耐え、数年単位でコミットできる「覚悟」があるかどうか。

短期的な成果に一喜一憂せず、腰を据えて走り続けられる人物が適しています。

⑤ 信頼できる過去の接点 or 見極めの時間

過去に一緒に働いた経験がある人は理想ですが、初対面でも「仮チーム」期間を経て、お互いの行動原理を見極めることが重要です。

いきなり会社設立は避け、PoC的に小さく試すのが賢明です。

よくある失敗パターンとその回避策

共同創業者は必ずしもプラスに影響するわけではなく、時にはマイナスに影響して事業の失敗に繋がる場合もあります。特にある程度成長してから揉め事に発展してしまうと、取り返しのつかない問題に発展しかねません。

ここではよくある失敗パターンとその回避策をまとめてみました。

仲が良いだけの友人と起業した

友情とビジネスの関係はまったく異なります。関係性に甘えが生じ、フィードバックが遠慮になりがちです。

友人関係から共同創業する場合は、明確な役割と契約が必須です。

役割が曖昧なまま始めて衝突

CEOとCOOの違い、開発責任の範囲など、あらかじめ定義しておかないと、業務の境界線でトラブルになります。最初に「責任の言語化」を行いましょう。

株式比率を対等にしすぎた

50:50で設立すると、意見の対立時に意思決定がストップします。

創業時は見えにくい貢献差を踏まえて、エクイティ設計は慎重に行いましょう。

契約を交わさなかった

創業者契約(Founder Agreement)を結ばずに走り出すと、後から「抜けたい/株を持ち逃げしたい」という問題に発展します。

必ずVesting(権利確定条項)付きの契約を締結するようにしましょう。

共同創業者をどう探す?実践的な探し方

自分に合った共同創業者と出会うことは簡単ではありません。自ら積極的に共同創業者を探すための工夫を考えてみましょう。

  • 起業家イベント・ピッチコンテスト
    → StartupWeekend、IVS LAUNCHPADなどで実際に話して熱量を測れる
  • SNS・LinkedInの活用
    → 自分の構想を発信し、「共感+スキル」を持つ人からの接点を得る
  • 自分の強み・弱みを可視化する
    → 何ができないかを明確にし、それを補える人を探すことで精度が上がる

創業チームの株式と役割分担の考え方

エクイティ配分の基本

創業メンバー全員が同じ比率である必要はありません。責任範囲・投下時間・資金負担などに応じて、ロジカルに配分しましょう。

Vesting(権利確定期間)の導入

たとえば「4年間のVesting(1年はCliff)」を入れることで、すぐに辞めたメンバーが株を保有し続けるリスクを防げます。

肩書きより実行責任が重要

CEOやCTOの肩書きにこだわるより、「誰が何に責任を持つか」「どこまでを任せられるか」を明文化することの方が重要です。

まとめ|「一緒に走れるか」が最重要

共同創業者選びは、採用ではなく「結婚」に近い決断です。

プロダクトがPivotしても、マーケットが変わっても、「信頼」と「補完性」を備えたチームであれば乗り越えられます。
あなたのビジョンを共有し、同じ熱量で走ってくれる「仲間」との出会いが、スタートアップの未来を左右します

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