スタートアップ創業者が最初に直面する現実——それは「ユーザーがいない」という壁です。
どれだけ情熱を込めて開発したプロダクトも、最初の100人が使ってくれなければ改善も資金調達も見えてきません。
「広告費もない」「人脈も少ない」「実績もゼロ」──そんな中でも初期ユーザーの確保は可能です。
本記事では、ゼロから最初の100ユーザーを獲得するための戦略と手法を、具体例付きで解説します。
なぜ「最初の100人」が重要なのか?
PMF(プロダクト・マーケット・フィット)を見極めるには最低限の母数が必要
一般的に、PMFの初期検証には30〜100人のアクティブユーザーが必要とされています。彼らの行動データや声を元に、改善と仮説検証を回すことができます。
そのため、まずは100人に使ってもらうということが、プロダクトの成長に必要不可欠なのです。
PMFについてはこちらの記事もご覧ください。
最初のファンが、次のユーザーを呼び込む
初期に利用してくれるユーザーは、プロダクトの「仲間」です。彼らのフィードバックを元に進化したプロダクトに強い愛着を持ち、SNSで拡散したり知人に紹介したりすることで、新たなユーザー獲得の起点になります。
ターゲットの明確化と価値の言語化がすべての始まり
「誰のために、何を解決するのか」を定義せよ
「なんでも良いから多くの人に使ってほしい」というような姿勢では、誰にも刺さりません。
まずは以下のように、ターゲットや価値を明確にすることが必要です。
- ターゲット:年齢/職業/課題/情報接点
- 提供価値:「●●に困っている人が、□□できるようになる」
×「タスク管理アプリ」
〇「フリーランス向け、納期管理に特化した【1日5分で完了】のタスク管理アプリ」
言語化の一貫性が信頼を生む
Xのプロフィール文、LP(ランディングページ)、ピッチ資料など、全てのアウトプットでメッセージを揃えることで、認知と信頼が積み上がります。
最初の100ユーザー獲得に有効な5つの戦術
① 直接アプローチ(DM・紹介・既存人脈)
SNSやSlackで見込みユーザーに直接メッセージを送り、無料トライアルやβ版の使用を提案してみます。メッセージを送った相手にプロダクトを紹介してほしい場合は、紹介用の文章テンプレートや共有用メッセージを渡すと効果的です。
② SNS(X/LinkedIn)の戦略的運用
- 開発ストーリーや課題背景を発信して「共感」を生む
- 機能紹介やTipsなどの有益情報で「フォローの理由」を作る
- β版参加リンクを固定ツイートなどに設定して「行動」を促す
特にXは起業家やエンジニア、フリーランス層の接点として強力です。
③ コミュニティ活用
- スタートアップ系(IVS、Forkwell、IndieHackers Japanなど)
- 専門職系(デザイナーSlack、開発者ギルドなど)
プロダクトと関係するコミュニティ内で、「提供したい」と思わせるよりも「貢献したい」と感じてもらえるような姿勢で情報発信し、徐々に認知を広げましょう。
④ 小規模イベント/ウェビナー開催
10人でも構いません。対象ユーザーの「悩み解決型テーマ(例:Notion活用術)」などでウェビナーを開き、その中でプロダクトを自然に紹介する手法は、信頼とリストを同時に獲得できます。
⑤ 無料β版+紹介インセンティブ設計
「3人に紹介すると1ヶ月無料延長」
「紹介者にも特典がある招待制度」
最初から複雑な仕組みは不要ですが、シンプルな「インセンティブ設計」でクチコミの連鎖を起こす工夫を検討してみるのも良いでしょう。
ユーザーの声を活かして改善を回す
声を集める仕組み
- NPSアンケート(10点満点で推奨度を質問)
- 利用後の自動アンケート(Googleフォームなど)
- オンラインインタビュー(10人でも十分)
フィードバックの活かし方
- ポジティブ:そのままクチコミ素材・導入事例に
- ネガティブ:改善→改善点を告知→再評価依頼の流れで信頼構築
「あなたの声がプロダクトを変えた」と伝えることで、初期ユーザーが「仲間」として継続してくれる可能性が高まります。
やってはいけないNG施策と注意点
広告依存(検証前に出すと赤字リスク大)
PMFが見えない段階での広告投下は、高コスト低効果になりやすく危険です。CPAが下がるのは「誰に」「どう刺さるか」が確定してからです。
過剰なインセンティブやキャンペーン設計
初期段階で「iPadプレゼント」などの強いインセンティブを使うと、目的外のユーザーが集まり、結果としてフィードバックもノイズ化してしまいます。
見栄を張って“質”を捨ててしまう
「数集め」に走りすぎると、プロダクトの方向性がぶれてPMFが遠のきます。質の高い初期ユーザー10人を丁寧に活用する方が、成功に近づきます。
まとめ|最初の100人は「仲間」である
スタートアップの成否は、最初の100人の存在に大きく左右されます。
その100人は単なる「数字」ではなく、改善の糸口であり、応援者であり、未来の1,000人を連れてくる存在です。
- 明確なターゲット設定と価値の言語化
- 泥臭いアプローチと信頼構築
- フィードバックを活かしたプロダクト改善
この地道なサイクルが、徐々にプロダクト成長のエンジンになります。
あなたのプロダクトに共感し、応援したいと感じる「最初の100人」に、今日から一歩近づきましょう。









